「元気に百歳」クラブのホームページへようこそ!
 
 
 
ご案内 講師紹介 活動記録
2011(平成23)年度の活動

                                                                     
第五十四回 11月4日(金)参加者18名
テーマ
人物の特徴は描写文で書こう
エッセイとは「人間」を書くことである。登場人物の特徴をいかに描くかに尽きる。性格描写と心理描写とを使った書き方をすれば、作中の人物が活き活きと動きだし、読者の感情移入が高まる。
反面、説明文は主として論評、解説、報道に使う文体である。それで人物を書くと、概念で血が通わず、作者の思いと読者のイメージと一致しない人物になってしまう。
@ 性格描写……対象者の行動、表情、会話、服装、顔かたち、容姿などを見たままに書いていくと、性格が出てくる。複数の描写を重ねると、人物の性格がより明瞭に立ち上がってくる。
A 心理描写……「私」の心の動きや内面をえがく。事がらに対して、感じたり、考えたり、思ったり。それをできる限り、五感を使った書き方にすると、人の心が深く表現される。
B 説明文の人物……幸せな人だ、悪い人だ、彼は金持ちだ。読み手にはいかようにも受け留められる。的確な人物として書き表されていない。

心理描写の重要性について
読者はなぜエッセイを読むか。演劇や映画は人の心理を表現できない。文章は人間の心理を深部まで文字で叙述することができる。
「私」の心を描けば、読者を同じ体験の世界に誘い込み、共感を呼び、豊かな情緒・情感へと導くことができる。
心理描写が優れていると、読者が涙したら、くすくす笑ったり、生きざまに役立ったり、その深さは計り知れないものがある。
本年最後の第54回教室は16名に、オブザーバー2名の 18名参加でした。2名の方はエッセイ教室に参加を希望で クラブに入会手続きをされました。前もって演習を準備され、 皆さんの作品も読まれての参加でした。打ち上げは早い忘年会 を兼て行い、全員の合唱と手打ちで〆ました。
第五十三回 10月7日(金)参加者13名
テーマ
偉人を訪ねる、紀行(散策)エッセイの書き方
誰もが想い入れのある、歴史上の偉人、著名な人物が心に存在しているものです。その人物の活躍した場所とか、史跡とか、資料館とか、墓とかを訪ねる機会があれば、紀行エッセイを書いてみましょう。
住いに近ければ、散策タッチのエッセイで仕上げてみてください。
一見して偉人紹介に見せながら、その実、作者自身を書くのがコツです。それには、作者自身に文字数を7割以上とることです。
構成は現代、過去、将来の組み合わせ(順不同)をしてみてください。奥行きのある作品に仕上がります。
【ポイント】
@ 書き出しは、訪ねた先の風景描写から入る。
A 偉人の業績は簡略に紹介する。(過多にならないように)
B 作者と偉人の人生の接点。好きになった理由、なぜ影響されたか。感激・感銘した芝居、映画、読書など、作者の出来事として書く。つまり、作者自身を書く。(重要)
C 作者が人生に影響した接点(へその緒で結ばれている点)と、いまなお結ばれている現在の自分を書き込む。
D 有名な偉人の場合はエピソードを掘り起こす。調べれば、案外知られていないエピソードがあります。それを紹介すれば、作品に求心力をつけられます。
E 世間に殆ど知られていないが偉大な業績がある人物を描く。丁寧に紹介することで、作者の誠意、熱意とが読者に伝わります。
F ラスト近くで、「偉人」と「私」が将来もつづくだろう、接合点を書いてください。座右のことばとか、再度この地に訪ねてみる決意をしたとか。将来につづくものがあれば、読後感が強まります。
いつもよりちょっと少ない13名の参加でしたが、会員の作品に臓器提供のテーマがあり、真剣に考えました。
事務局担当の森田さんが、術後元気に復帰しました。
第五十二回 9月2日(金)参加者15名
テーマ
語尾には敏感になろう。
人間の言動や感情を表現する場合、多くが動詞です。日本語では動詞が語尾にやってきます。語尾の変化のつけ方ひとつで、作品の優劣にも大きく影響されます

@体言止めは味付けの無い文章になり、素材・情報だけの提供です。
*危険だ、と彼は背を丸めた姿勢。 →危険だ、と彼は背を丸めて
身構えた。
*私は姉と妹の三人兄弟。 → 私は姉と妹の三人兄弟で
仲がよかった。
*話の途中で、彼は相づちばかり。 → 話の途中で、彼はうなづきばかりで、
心の中がわからない。
A感嘆符は語尾が書き切れない、中途半端で未熟な表現です
*船を発見! → 船を発見したぞ
*オゾン層を破壊 → オゾン層を破壊させてしまった。
B推理、推測、予測、疑問は積極的に取り入れましょう。読み手の頭脳を刺激します。
*彼は迷っていた。 → 彼は迷っているのだろう。
*便利な機能がついている。→便利な機能がついているらしい。
私は彼を沈黙させる。 →私は彼を沈黙させられるはずだ。
C時間の経過に幅が出る、語尾の技法を身につけましょう。
*この家は代々続いた。 → この家は代々続いてきた。
*彼は遅れた。 → 彼は遅れていた。
*私は自分の言葉に酔った。 → 私は自分の言葉に酔ってしまった。
D紋切り型の語尾から脱却し、センテンスごとに語尾には変化をつけましょう。
従来の電話は顔が見えな。声の相手は美人かブスかも想像でしかなかった。女性は胡坐をかいて見合い話すらでき
TV電話となると、姿勢も正し、正座すらしてしま。 
 
8月の夏休みも明けて、参加者は15名となりました。
各作品の講評は皆さんの活発な発言があり、また作者の
意見も踏まえてから、先生の高評をお願いしました。
「50号記念誌」350頁は二上さんの編集で完成し、
皆さんに配布されました。
第五十一回 7月1日(金)参加者16名
テーマ
人物の上手な描き方。主役と脇役について

上質なエッセイは、読者に印象深く、永く心に残るものです、主人公「私」に「人間らしさ」を感じ、「人間って、こういうところがあるよな」と言わしめるものです。つまり、作品の優劣は、人物の描き方で決まります。
人間はいかように書くか。千差万別で、特別な鉄則やルールはありません。ただ、技法としては、主役と脇役を明確に特徴づけると、作品が際立ってよくなります。
一般的に、まわり(脇役)の人物のほうが楽に、客観的に書けます。「私」は思いのほか書けないものです。結果として、脇役が良く書けているが、「私」が書けていない作品が生まれてしまいます。

なぜ、「私」が書きにくいのか
@「私」は自分の顔の表情を直接見られない。表情が描けない。
A「私」はいつも自分と繋がっているから、新鮮な感動、新たな発見がない
B「私」は常に善で、悪い人ではない。

技法として、主役を引き立てる書き方
@ 登場人物を絞り込む。人数が多くなると、主役「私」が目立たなくなる。
A 「私」は全対比で、7割以上の枚数で書き込む。脇役の枚数は述べで3枚以内で、少なめに抑える。
B 脇役には、意見の違い、立場の違い、突飛な意見を出す、など、対比法で登場させる。似たような脇役や同一意見の人を並べると、平板になる。
C 「私」には裏表がある。その両面を描く。白黒がつけられない、心の揺れ、悶々とした心理を書いていく。
D 作中に、「私」の考え方、生き方、哲学をできるだけ挿入する。
E ストーリー展開で、「私」をなんらかのかたちで、「私を成長」させる。事実の列記だけで、成長がないと、単調で厚みがない作品になる。
F 相手に、「私」の性格を言わせる。容姿を語らせる。
新しいステップの51回は16名の参加でスタートしました。
節目の「50号記念誌」は二上さんの編集が進行中です。
夏休み明け9月の発行が待たれます。
第一回から常連の塩地さんは、ご都合で暫し休会となりました。
第五十回 6月3日(金)参加者18名
テーマ
基本と応用のポイント

エッセイ教室は、50回という節目にきました。より良いエッセイを書く「基本」と「応用」のポイントを確認しましょう。

エッセイが上達する最善の方法として
@ 数多くのエッセイを読む「読んで、読んで、読みまくれ」
A 数多く書く「書いて、書いて、書きまくれ」
B いい読み手をみつけよう

素材か文体か
@ 素材は人生の一断面を切り取って見せるもの。結論は要らない。
A 文体は密度で決まる。圧縮と省略がよくできている。
 ・圧縮は、文章の冗漫なところを圧縮する。文章のぜい肉を除去する
 ・省略は、重複している文、削っても文脈が傷まないところを刈り取る

求心力と遠心力
@テーマを絞り込み、時間を止める=求心力(立体感と、奥行きがある)
A材料を多く入れ、時間の経過が早い=遠心力(平板で、深みがない)

構成力(ストーリー)で読ませる
@書き出しは重要。最初の数行は切って捨ててみる。
A結末は読後感と評価になる。ラスト一行で、テーマの言葉を入れてみる

読みやすい文章
@ センテンスは平均43字以内にする
A 文章の老齢化を防ぐ。句読点は多めにする。
50回目の一つの節目を迎え、史上初、オールメンバー18名の参加となった。
提出作品に対する寸評にも熱が入り、自然に発言も多くなったが、
名司会により、時間きっちりに終えることができた。
50回記念誌の原稿が事務局に集ってきた。これから編集の二上さんに
バトンタッチする。
第四十九回 5月10日(火)参加者15名
テーマ
距離感について

作品批評の一つに、「距離感」が使われます。
大災害を体験したり、大事件に遭遇したり、身内の不慮の死に直面したり。そのまま状況を書くと、作者の想いが空回りし、体験的にただ説明された、「距離感がない作品」になってしまいます。

作者が対象を客観的に捉え、描写力豊かに作品を展開すれば、「距離感が取れた作品」となります。
「うまい文章だな、的確に言い当てているな」「上手に描いているな」「この作者にしか書けない表現(描写)だな」と高く評価されます。

TV映像には災害の迫力があり、新聞記事には掘下げがあります。
エッセイの強みは何でしょうか。「災害時の人間を描く」強みがあります。それには行動よりも心理、説明文よりも描写文で書くことです。
先月の教室が休みでしたので、5月の教室は久しぶりの顔合わせになりました。笑い声がたくさん聞かれました。仲間に会うと元気が出ます。
教室開催は、6月で50回になります。作品を50回記念誌にすることしました。そろそろ準備にとりかかります。
第四十八回 3月4日(金)参加者17名
テーマ
マンネリの解消法

作品のマンネリズムは、筆力、創作技術が高まると起こる現象。作品の素材を日常にだけを求めると、平板で切れ味悪く、単調な作品になる。上手にはまとめているが、作品に光った部分が出てこない。ただ書いているだけのマンネリズム現象に陥る。
人生を歩む過程で、失意、落胆、失恋、苦悶、離別、死別、コンプレックスなどに、強く影響されたときがある。これら「心の負の世界」に素材を求めるかぎり、創作のマンネリズムに陥ることは少ない

書くことが苦しくて、辛くて、泣きたくなる。その勇気からいつしか逃げている。小手先だけで、エッセイを仕上げよう、書こうとしているからマンネリズムが起きる。「心の負の世界」「心の痛み」に、もう一度チャレンジする。自分の醜さ、狡さ、隠蔽に立ち向かう。その勇気を呼び起こせば、創作のマンネリズムから解消される。
17名の参加。先月欠席の森田世話人は、腰痛をおして、気合の出席でした。
冒頭、講師のHP「穗高健一ワールド」で、当エッセイ教室を取り上げている、という話がありました。
『脳の活性化はここにあり』(実年齢と脳細胞の若さとは正比例しない)
※エッセイ創作で細胞は常に新しさを求めている。
※刺激を与えれば、いつまでも若さと柔軟性を保てる
作品を完成させることは、ボケ防止の一助となります。
第四十七回 2月4日(金)参加者16名
テーマ
作品の創作・仕上げ方は、三段階法で行う。

初稿
(第1段階)は、エッセイ素材を決めたら、作者のスタイル(個性)で書く。
最後まで書き切れば、出来ばえなど問題はありません。
2稿(第2段階)として、書き上げた作品は読み直し、全体を整える
@ 構成を組み替える。最も重要なもの(力点)は結末近くに持っていく。
A 力点は、前段階で伏線を加筆する。
B テーマの統一を図る。テーマに無関係な描写や説明は外していく。
C タイトルを見直す。結末との整合性も行う。
3稿(第3段階)が作品の精度を高める。
@ 数日間は作品を寝させる。
A 冗長なところは削除し、回りくどい表現は短くする(刈り込む)。
植木の職人の気質で。
B 一字一句のチェック、修飾、類語など置き換えなどで、仕上げる。
C 最後は大きな声を出して読み上げる。ちょっとでも、読み停まれば、それは文章に難があるところです。
第47回、16名の参加でしたが、残念ながら元気印の森田世話人が体調不都合で欠席。参加者は演習にも慣れ、声を上げ自分の作品(200字以内)を発表しました。また、お仲間の作品講評も簡潔で分かり易くなって来ました。
第四十六回 1月7日(金)参加者17名
テーマ
句読点の打ち方
句読点(くとうてん)は、作者の呼吸であり、文章のリズムをつくる重要なものです。読者の側に立てば、読みやすさ、スピード、文意の誤解を避けてくれます。

句点は平均して45文字ていどが、最も読みやすく、読者の理解をスムーズに運んでいきます。ゆっくり落ち着いた場面(茶室の情景など)ではやや長めに、忙しく行動する場面(追う、逃げる)では短めに連続させる。状況変化で使い分けもできます。

読点(、)は読者の立場から、文脈を考え、わかりやすい文章につなげていくものです。平均的に15字前後が読みやすい文章になります。
読点の打ち方は創意工夫で、文体(個性)を作ることにもつながります。
12月の冬休みが明けて、新年度の初回教室です。当日は寒くなるという予報でしたが、元気印の17名が集り、年頭の挨拶もそこそこに、講義のあと、提出作品の寸評に入りました。
アフターは新年会です。笑いいっぱいの楽しい会になりました。


講師:西原健次 毎月1回開催
場所:新橋「生涯学習センターばるーん」 
Copyright(C) V100C All Right Reserved